米国の耐久財受注(耐久年数が長い機械や設備などの受注)は3月に前月比1.4%減となった。市場予想は0.5%増で、結果は予想を下回った。
この発表は3月の結果を市場予想と比較したもので、増加ではなく減少が示された。
成長見通しとリスク資産への示唆
3月の耐久財受注が、市場予想(0.5%増)に反して1.4%減となったことは、企業の設備投資(企業が工場設備や機械、ITなどに支出すること)が減速している可能性を示す。加えて、先週の新規失業保険申請件数(失業した人が給付を申請した件数)も3カ月ぶり高水準の22万5,000件に増え、景気の勢いが弱まっているサインが重なった。景気減速と市場の変動拡大(価格の上下が大きくなること)に備える局面となる。
株式については、SPYやQQQといった幅広い株価指数に連動するETF(上場投資信託)に対し、プロテクティブ・プット(下落時の損失を抑える保険としてのプットオプション)で下振れリスクに備える方法がある。景気の影響を受けやすい景気敏感セクター(景気で業績が変わりやすい業種)は特に弱くなりやすく、工業株や一般消費財の指数先物(将来の価格で売買する契約)を売ることで、弱さを利用する戦略も考えられる。これは保有する株式の下落リスクを抑える手段となる。
今回の想定外の弱い指標は、不確実性の高まりを通じてVIX(S&P500の予想変動率。市場の不安の強さを示す指標)を押し上げやすい。VIXは足元で17近辺にある。VIXコールオプション(VIX上昇で利益が出る権利)やVIX先物の買い(上昇を見込む取引)は、株価調整(株価が下がって水準を切り下げること)リスクへのヘッジ(損失を抑える対策)として機能する。
金利・ドル・政策見通し
この結果は、来週会合を控える米連邦準備制度理事会(FRB)に対し、金融政策の見通し修正の圧力となり得る。市場では年内利下げ(政策金利を下げること)の確率が高まりやすく、米国債利回り(債券の利回り。金利の代表指標)は低下しやすい。金利低下局面に備えるなら、米国債先物(米国債の将来価格で売買する契約)の買いを積み増す選択肢がある。
景気の弱さと利下げ観測は米ドルの重しになりやすい。DXY(ドル指数。主要通貨に対するドルの強さを示す指数)先物を売る形でドル安を狙う手もある。また、資金が安全通貨(リスク回避時に買われやすい通貨)である円やスイスフランに向かう展開も想定される。