AUD/USDは2日続落し、水曜日の欧州時間は0.7160近辺で推移した。下落の背景は、米国がイランへの封鎖を延長する可能性があるとの報道を受け、安全資産として米ドルが買われたことにある(「安全資産」とは、地政学リスクなど不透明感が強まる局面で資金が集まりやすい資産で、米ドルが代表例)。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、米政府当局者の話として、ドナルド・トランプ大統領が側近に対し「より長期のイラン封鎖」に備えるよう指示したと報じた。目的は、イランの港湾への出入りを制限し、同国の経済と原油輸出(輸出量や販売に関する制約)に圧力をかけることだという。爆撃の再開や撤退といった別の選択肢は、リスクがより大きいと見られていた。
Fed Policy Expectations
米ドルは、米連邦準備制度理事会(FRB:米国の中央銀行)が水曜日の4月会合で政策金利を据え置くとの見方からも支えられた。「政策金利」とは中央銀行が景気や物価に影響を与えるために調整する金利で、米国ではフェデラルファンド(FF)金利が代表的な指標とされる。市場はFF金利の誘導目標レンジ(政策金利の目標幅)が3.50%〜3.75%で3会合連続の据え置きになると見込んでいる。
豪ドルは、インフレ指標が弱めだったことを受けて下落した。豪統計局(ABS)の発表では、3月の消費者物価指数(CPI:家計が購入するモノやサービスの値段を指数化したもの)の前年比上昇率は、2月の3.7%から4.6%に拡大したが、市場予想の4.7%を下回った。月次CPIは、前月の0%から1.1%へ伸びた。
一方、豪ドルの下値は限定される可能性がある。市場では、豪準備銀行(RBA:オーストラリアの中央銀行)が5月に利上げするとの見方がある。背景には、労働市場のひっ迫(人手不足で賃金が上がりやすい状態)や、2025年後半の予想を上回る経済成長がある。