英ポンド/米ドル(GBP/USD)は火曜日に0.12%下落し、1.3520近辺まで軟化した。1.3500付近の「もみ合い(方向感が出にくい状態)」を維持している。値幅は1.3465〜1.3580の115ピップ(ピップ=FXの最小変動単位)で推移し、序盤の上昇は失速したが、終盤に安値から持ち直した。
注目は木曜日11:00(UTC)の英中銀(BoE:イングランド銀行)の金融政策決定。政策金利(Bank Rate=英中銀の基準金利)は3.75%で据え置きが予想される。金融政策委員会(MPC=政策を決める委員会)の投票は、前回の全会一致(9-0-0で据え置き)から、8-1-0(1人が反対)へと割れる見通しだ。その後、金融政策報告書(Monetary Policy Report=景気・物価見通しをまとめた報告)と、11:30(UTC)の記者会見が予定されている。
Central Bank Events In Focus
イラン情勢に伴うエネルギー価格上昇が、インフレ(物価上昇)を押し上げるリスクとして意識されている。金曜日11:15(UTC)には、MPCメンバーのピル氏の講演が予定される。米国では水曜日18:00(UTC)の米連邦準備制度理事会(FRB)の決定が焦点で、政策金利は3.50%〜3.75%で据え置きが予想される。パウエル議長の発言が、インフレに対してどの程度厳しい姿勢か(タカ派=利上げに前向き、ハト派=金融緩和寄り)を見極める材料となる。
市場は、ホルムズ海峡での原油供給障害が短期にとどまらずインフレに波及するかを見ている。金曜日には米ISM製造業PMI(購買担当者景気指数=企業の景況感を示す指数)も発表予定だ。チャートでは1.3519近辺で、上値の目安となる1.3538の抵抗(レジスタンス=上がりにくい水準)を下回る。日足では1.3518が下値の目安(サポート=下がりにくい水準)。50日指数平滑移動平均線(50日EMA=直近の価格を重視する移動平均)は1.3440、200日EMAは1.3387。ストキャスティクスRSI(買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は65近辺にある。
Options Positioning For Breakout
BoEの投票が8-1に割れるとの見方は、インフレ上振れへの対応に苦慮している状況を示す。英国の消費者物価指数(CPI=物価の代表指標)は2026年3月に前年同月比3.1%へ予想外に上昇したとされ、イラン情勢によるエネルギー価格上昇が背景とされる。2%目標を上回るインフレが続けば、利上げがすぐに見込まれない場合でも、BoEは「インフレに甘い」と受け取られないよう、姿勢を示す必要が出る。
一方FRBは、米コアPCE(個人消費支出=PCEのうち変動の大きい項目を除いた物価指標)を重視しており、2.9%と目標を上回る水準が続いているとされる。過去には1979年のような地政学要因による原油ショックがインフレ長期化につながり、FRBが強い引き締めを迫られた例がある。パウエル議長がホルムズ海峡の混乱を一時的ではないと示唆すれば、ドル高方向の材料になり得る。
FRBがタカ派で、BoEが割れて慎重(ハト派寄りに見られる)なら、GBP/USDは下落しやすい。この場合、50日移動平均線(1.3440)を下回る水準のプット(売る権利のオプション)を検討し、200日移動平均線(1.3387)付近への下振れに備える考え方になる。
逆に、FRBが原油ショックを一時的とみなし、BoEがインフレ警戒で足並みをそろえれば、ポンドが急伸する可能性がある。その場合は直近高値1.3580を上回る水準のコール(買う権利のオプション)を検討する選択肢がある。日足の移動平均線が下値の目安として機能してきた点は、押し目買い(下げたところを買う戦略)を考える際の材料になる。