EUR/USDは木曜、アジア時間の下落後に反発した。米国の経済指標が強かったにもかかわらず、米ドルが弱含んだ。背景には、米国とイランの緊張を受けた慎重なリスク姿勢(投資家が株などのリスク資産を避ける動き)がある。EUR/USDは1.1679まで下げた後、1.1714近辺で取引された。米ドル指数(主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを示す指標)は、日中高値98.80を付けた後、98.57前後だった。
4月の米国の景気指標は改善した。S&Pグローバルの製造業PMI(購買担当者景気指数:企業の購買担当者へのアンケートで景気の強弱を測る指標)は52.3から54へ上昇し、47カ月ぶりの高水準となった。サービス業PMIも49.8から51.3へ上昇し、2カ月ぶりの高水準。いずれも市場予想を上回った。
米指標とドルの反応
米新規失業保険申請件数(失業給付の新規申請数で雇用情勢を示す指標)は、4月18日までの週で21.4万件となり、市場予想の21.2万件、前週の20.8万件を上回った。PMI発表後も米ドルは上昇を広げず、値動きはテクニカル(需給やチャート上の節目を重視した動き)の影響が大きいとされた。
市場はホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送ルート)を巡る緊張にも左右された。ドナルド・トランプ氏は、米国が同海峡を「完全に掌握している」と投稿し、海峡で機雷を設置する船舶を「撃て」と海軍に命じたと述べた。さらに、イランが合意するまで「完全に封鎖している」と主張した。
イランは、海上封鎖の解除を要求し、停戦違反だと批判した。モハンマド・バーゲル・ガーリバーフ氏は、停戦違反が続く限りホルムズ海峡の再開は「不可能」と述べた。
封鎖と供給寸断(供給が途絶えるリスク)が意識され、原油価格は高止まりし、インフレ懸念(物価上昇リスク)への注目が続いた。市場ではECB(欧州中央銀行)の利上げ観測が意識される一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利を据え置くとの見方が優勢だった。