金と銀は、2日連続の下落後に再び上昇した。米ドル安(米ドルの価値が下がること)と地政学リスク(紛争・対立などに伴う市場の不安)の後退が下支えとなった。
金(ゴールド)ETF(上場投資信託:株式のように取引所で売買でき、金価格への投資をしやすくした商品)への資金フロー(資金の流入・流出)は3週連続でプラスだった。4月21日には保有量が1万オンス(10koz)増え、6日連続の資金流入となった。
ETFの総保有量は9,930万オンス(99.3moz)に達した。この動きは、3月の売り(急落局面)後に起きた。
金と銀は直近の下げから持ち直している。ドル安と地政学リスクの緩和が追い風で、投資家の関心が戻りつつあることがより明確になってきた。これは市場心理(投資家の見方・ムード)が変化し始めたことを示す。
金現物に連動するETF(ゴールド連動ETF)への資金流入がこの3週間プラスで続いており、投資家の買い意欲(相場観)が戻っているサインといえる。6日連続の流入で総保有量は1億オンスに迫った。年初に見られた売り局面の後、再び投資家の関心が高まっていることを示す。
米ドル指数(DXY:主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は、直近の高値106から104.2近辺まで低下した。一般にドルが弱いと、ドル建てで取引される金は割安に見えやすく、金価格の押し上げ要因になりやすい。ドル安の背景には、インフレ指標が市場予想よりやや弱かったことがあり、米連邦準備制度理事会(FRB:米国の中央銀行)が利上げを見送る(金融引き締めを止める)との見方が市場に広がった。FRBの姿勢が強硬でない場合、金にとってはプラスになりやすい。
デリバティブ(金融派生商品:元となる資産価格に連動する取引)市場では、コールオプション(一定価格で買う権利)への建玉(未決済の取引残高)増加が目立つ。特に、現物(スポット:現在の市場価格)より5%高い行使価格(権利を使う価格)で増えている。コール/プット比率(上昇を見込む取引と下落を見込む取引の比率)は3カ月ぶりの高水準となり、トレーダーが上昇に備えていることを示す。相場が上方向に進みやすいという見方が強まっている。