GBP/USDは水曜日、ロンドン時間の1.3540からその後の1.3490までのレンジで推移した後、1.3510近辺で取引を終えた。値幅は65pipsにとどまり、ローソク足の上下のヒゲが長いことから、方向感が定まらない状態が示された。
英国の3月CPI(消費者物価指数、モノやサービスの値段の上がり方を示す指標)は前月比0.7%と、市場予想の0.6%を上回った。前年比は3.3%に上昇した。一方、コアCPI(食品・エネルギーなど値動きが大きい項目を除いた物価、基調的なインフレを見るための指標)は前年比3.1%と、予想の3.2%を下回った。
木曜日の英国の速報PMI(購買担当者景気指数、企業のアンケートから景気の良し悪しを示す指標)は、製造業が49.9、総合が49.8と予想される。GfK消費者信頼感(家計の景況感を示す調査)は-25と、前回の-21から悪化が見込まれている。金曜日の英国小売売上高(消費の強さを示す指標)は、2月の前月比-0.4%の後、前月比0.2%が予想されている。
米国では木曜日に速報PMIが発表され、サービス業は50近辺、製造業は52.5近辺が予想されている。加えて新規失業保険申請件数(失業の増減を早期に示す週次指標)は21.2万件と、前回の20.7万件から増加見込み。金曜日のミシガン大学1年先インフレ期待(家計の短期的な物価見通し)は4.8%が想定されている。
15分足ではGBP/USDは1.3506で、この日の始値1.3517を下回った。ストキャスティクスRSI(RSIを用いたオシレーター系指標で、買われ過ぎ・売られ過ぎを測る)は40近辺。日足では1.3501で、50日EMA(指数平滑移動平均、直近の値動きをより重視する移動平均)1.3427と200日EMA1.3357を上回り、ストキャスティクスRSIは87近辺にあった。
過去を振り返ると、2025年当時の市場は不透明感が強く、GBP/USDは相反する材料の中で1.35近辺に張り付いた。データ面では、総合インフレ(ヘッドライン、全項目のCPI)が高止まりする一方、景気は弱含むという、英中銀にとって典型的な板挟み構図が見られた。この迷いが、上下に振れやすい往来相場につながった。
また、2025年の予測で意識された英国景気の減速懸念は現実となり、2025年10-12月期GDP(国内総生産、経済規模を示す指標)は前期比-0.2%とマイナスに転じ、テクニカル・リセッション(2四半期連続のマイナス成長)を確認するかたちとなった。英国国家統計局の足元データではインフレは2.8%まで鈍化したが、賃金上昇率が4%超と高止まりしているため、英中銀は政策金利を5.0%で据え置いている。市場は政策判断の誤り(引き締め過剰、または緩和の遅れ)のリスクを測っており、ポンドは上値の重い状態が続いている。
米国側では、2025年を通じてホルムズ海峡の閉鎖がドル高要因となったが、この問題は2026年初に外交的に解決した。現在は金融政策の差に焦点が戻り、FRB(米連邦準備制度理事会)は英中銀よりも強い引き締め姿勢(タカ派、利上げや高金利維持に積極的)を維持している。背景には、2026年3月時点でコアのサービスインフレ(サービス価格の基調的な上昇率)が3.5%超で推移していることがある。こうした差が、GBP/USDを1.35近辺から現在の1.2950周辺のレンジへ押し下げる主要因となってきた。