ロシアの生産者物価指数(PPI=企業が出荷する段階の価格の動き)は3月に前年同月比7.8%低下した。前の期は同5.2%低下だった。
最新の数字は、生産者価格(企業の出荷段階の価格)の下落が前回より速まったことを示す。前年同月比での下落率が-5.2%から-7.8%へ拡大し、企業段階の価格下落が強まっている。
生産者価格の下落が加速していることは、ロシア中央銀行に利下げ(政策金利を下げること)を続ける根拠を与える。これは工業部門で物価が下がりやすい圧力(デフレ圧力)が強まっている明確な兆候だ。市場参加者は、金融政策が景気を支える方向(ハト派=利下げに前向き)へ傾く可能性を織り込む必要がある。
政策金利が低下すると、ルーブル売り(ルーブル安を見込む取引)が魅力を増す。ロシア中銀はすでに主要政策金利を8.5%まで引き下げており、3月の消費者物価上昇率(CPI=家計が買う商品の価格の動き)が2.7%と低いことも踏まえると、追加利下げの余地は大きい。ルーブル安に備える手段としては、先物(将来の売買価格をあらかじめ決める取引)を使う、またはUSD/RUB(ドル/ルーブル)でコールオプション(将来、決めた価格で買う権利)を買う方法が考えられる。
生産者物価の下落は、世界の商品市況(コモディティ市場。原油や金属などの取引市場)の弱さ、とりわけエネルギー価格の軟調さも映す。足元ではブレント原油(北海産の代表的な国際指標)価格が、2025年冬に95ドルを上回った後、1バレル82ドル前後まで下げた。ロシアの輸出収入に逆風となり得るため、大手ロシア能源企業の株価下落に備えるプットオプション(将来、決めた価格で売る権利)や、MOEXロシア指数(モスクワ取引所の代表株価指数)でのヘッジ(損失を抑えるための取引)が選択肢となる。