野村、エネルギーコスト上昇でユーロ圏の成長鈍化を予想 雇用悪化と賃金伸び鈍化でインフレも和らぐ見通し

    by VT Markets
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    Apr 22, 2026

    野村のエコノミストは、足元のエネルギー価格上昇は、ユーロ圏に「長く続くインフレ(物価上昇)ショック」をもたらすというより、景気(成長)を押し下げる影響の方が大きい可能性が高いと指摘する。背景として、北欧で労働市場(求人が減り失業が増えやすい需給)が弱いこと、財政余力(政府が追加支出や減税を行える余地)が限られること、供給余力(設備や人員に空きがあり生産を増やせる余地)が大きいこと、賃金上昇の鈍化を挙げた。

    エネルギー価格は「高い水準」だが、2022年の水準を下回るとされる。2022年は原油価格が2月下旬から7月末まで100ドル超で推移し、欧州ガス価格は約340ユーロ/MWh(メガワット時=電力・ガス取引で使うエネルギー量の単位)まで急騰した。これに対し、直近のピークは60ユーロ/MWh強にとどまる。

    IMF(国際通貨基金)の最新の半期見通しでは、ユーロ圏の2026年のGDPギャップ(潜在GDP=経済が無理なく生産できる水準に対する実際のGDPの差)は潜在GDP比で約▲0.2%と見積もられた。2022年の+0.8%に比べ、供給余力が大きいことを示す。

    金融引き締め(利上げや資金供給の抑制)によって、欧州のインフレ率は低下基調が続いているとされ、その流れは米国とイランの戦争以前から始まっていたという。サービス価格のインフレはなお粘着的(下がりにくい性質)とされる一方、短期の物価圧力とインフレ期待(将来の物価上昇見通し)は引き続き監視対象だ。

    今回のエネルギー要因のショックが「インフレ」より「成長」への脅威だという見方は、ECB(欧州中央銀行)がハト派(景気を重視し利下げに前向き)に傾く可能性を示唆する。すでにその兆しとして、HCOBフラッシュ・ユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数=企業調査から景況感を示す指標)の2026年4月値が48.5へ予想外に低下し、事業活動の縮小(一般に50未満が縮小)を示した。こうした環境では、今後数カ月の利下げを見込むポジションとして、ユーロ金利先物(Euribor先物=ユーロ圏の短期金利を基にした先物契約)などのデリバティブ(金融派生商品)を通じた取引が意識される。

    ユーロスタットの速報では総合インフレ率が2.8%に小幅上昇したが、エネルギー要因によるところが大きいとみられる。より重要なのは、コアインフレ(エネルギーや食品など変動の大きい品目を除いた基調的な物価上昇率)が2年ぶり低水準の2.5%に低下した点で、サービスの粘着性が残るとしても基調的な物価圧力は弱いことを裏付ける。2023〜2024年の大幅な政策引き締めは、域内の需要面の物価圧力を抑え込んだといえる。

    成長鈍化の見通しは、欧州株価指数の下振れリスクを高める。短期の下落に備える手段(ヘッジ)として、または下落局面を狙う取引として、ユーロ・ストックス50(欧州主要50銘柄指数)のプット・オプション(一定価格で売る権利)を検討すべきだ。市場がインフレに注意を向けすぎている場合、欧州株指数のインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される予想変動率)が相対的に割安となり、成長不安を見込むポジションの組成に有利な局面になり得る。

    景気に配慮するECBと、米国景気の底堅さを背景に政策金利を据え置くFRB(米連邦準備制度理事会)との対比は、金融政策の方向性の乖離を明確にする。これは、対ドルでのユーロ弱気(下落)見通しを強める材料となる。見方の表現としては、EUR/USD先物(ユーロ/ドルの先物取引)を売る、または為替レート低下で利益が出るオプションを買う方法がある。

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