米国の3月の住宅販売契約(成約前の売買契約件数)は前年同月比で1.1%減少した。前回は前年同月比0.8%減だった。
3月の住宅販売契約が前年同月比でマイナス1.1%となったことは、住宅市場の勢いが再び弱まっていることを示す。主因は高止まりする住宅ローン金利だろう。30年固定金利(返済期間30年で金利が固定される住宅ローン)は足元で平均約6.8%とされ、家計の購入余力(所得に対して無理なく買える水準)が依然として厳しい。
この結果は、住宅関連株に弱気(株価下落を想定)で臨む材料といえる。住宅建設関連ETF(上場投資信託)のITBやXHBに対するプット(一定価格で売る権利で、価格下落で価値が上がりやすいオプション)を数週間の期間で買う戦略は有効になり得る。この指標は先行指標(先に動き、今後の景気や企業業績を示唆しやすいデータ)として、同業企業の利益の鈍化や会社側の見通し(ガイダンス)の下方修正につながりやすい。
一方で、この減速は米連邦準備制度理事会(FRB)の判断を難しくする。最新の物価指標ではCPI(消費者物価指数=消費者が買う商品の価格の変化)が3.1%と下がりにくい状況が続いている。景気減速と物価の粘着性(下がりにくさ)の乖離が広がれば、市場は年後半に政策転換(利下げなどの方向転換)の確率をより高く織り込みやすい。こうした景気減速への備えとして、長期米国債ETFのTLTのコール(一定価格で買う権利で、価格上昇で価値が上がりやすいオプション)は有効なヘッジ(損失を抑えるための保険的な取引)になり得る。
相反する経済シグナルは、市場の変動性(値動きの大きさ)を高めやすい。VIX(株式市場の予想変動率を示す指数で「恐怖指数」とも呼ばれる)が足元で14前後と数カ月ぶりの低水準にあるため、保険の購入コストは相対的に低い局面だ。VIXのコール、または株価指数へのプロテクティブ・プット(保険目的のプット買い)の活用は妥当とみられる。