中国人民銀行(PBOC)は火曜日の米ドル/人民元(USD/CNY)の基準値(毎営業日に示す公式の中心レート)を6.8594に設定した。これは前日の6.8648およびロイター予想の6.8112と比べたものだ。
PBOCの金融政策の主な目的は、物価の安定(為替レートの安定を含む)と経済成長の下支えだ。加えて、金融市場の開放や発展などの金融改革も担う。
ガバナンスと独立性
PBOCは中華人民共和国の国有機関であり、独立した組織ではない。国務院総理が指名する中国共産党中央委員会書記が、銀行の運営や方針に大きな影響力を持つ。潘功勝氏は、この役職と総裁職を兼務している。
政策手段には、7日物リバースレポ金利(中央銀行が短期資金を供給する際の金利)、中期貸出ファシリティ(MLF:中期の資金供給制度)、為替介入(市場で外貨を売買して為替を調整すること)、預金準備率(RRR:銀行に一定割合の資金を中央銀行に預けさせる規制)がある。ローンプライムレート(LPR:銀行融資の基準となる指標金利)は中国の代表的な金利で、変更は貸出金利、住宅ローン金利、預金金利、人民元相場に影響しうる。
中国には民間銀行が19行あるが、金融システム全体に占める比率は小さい。最大手にはWeBankやMYbankがあり、民間資本による国内銀行の設立は2014年から認められている。
PBOCが市場予想より強い基準値を示したことは、最近の人民元安への警戒感を示す。中央銀行が市場の見方に対して調整を強め、短期的に通貨の安定を優先する意図がうかがえる。人民元は直近四半期だけで対ドルで1.5%超下落していた。