GBPは、米・イラン間の緊張再燃を受けた序盤の動きから持ち直した後、対ドルでほぼ横ばいとなった。焦点は、英国内政治や政府の財政運営(歳出・増税・国債発行などの方針)への疑問に加え、スターマー首相が辞任する可能性をめぐる議論にも及んでいる。
英国は今週、雇用統計、消費者物価指数(CPI=消費者向けの物価の上昇率を示す指標)、購買担当者景気指数(PMI=企業の景況感を示すアンケート指標)、小売売上高と、重要指標の発表が相次ぐ。イングランド銀行(英中央銀行)の発言は手掛かりに乏しく、政策金利の道筋(利上げ・据え置き・利下げのどれに向かうか)の想定幅が広いままだ。
テクニカル面では、短期的にGBP/USD(英ポンド/米ドル)は強気寄りの中立とされる。RSI(相対力指数=買われ過ぎ・売られ過ぎの度合いを示す指標)がやや強気圏で横ばいになっていることや、トレンド転換の示唆になり得る「ドジー(始値と終値が近いローソク足)」が確認されている点が材料視される。下値支持(サポート)は1.34台半ば〜前半で、50日移動平均線・200日移動平均線(一定期間の平均値で方向感をみる指標)付近とみられている。
GBP/USDは当面、1.3480〜1.3580のレンジ(一定の値幅内で上下する状態)で推移すると予想される。レポートは、この水準内での「レンジ相場」と位置付けている。
ポンドは足元で対ドルで底堅い。ただ、今週は重要経済指標の発表が集中する。英雇用、インフレ(CPI)、小売売上高が予定されており、通貨ペアの次の大きな動きを左右し得る。
経済指標に加え、政治の不透明感も懸念材料だ。先週は、ウェストミンスター(英国政界)の報道で首相の指導力や財政計画が問われ、ポンドが敏感に反応した。英中銀が明確な方向性を示していないことも、市場の迷いを強めている。
テクニカル的には、1.3480〜1.3580の狭いレンジに押し込められている。オプション市場では、1カ月物インプライド・ボラティリティ(将来の変動率の市場予想)が月初の7.2%から8.5%に上昇しており、通常より大きな値動きが織り込まれている。これは、どちらの方向にも大きく動く局面で損益が出やすい戦略を検討する余地があることを示唆する。
2025年後半には、強弱まちまちの指標を受けてポンドがレンジを抜け、値動きが急拡大した局面があった。先週公表された3月CPIは前年同月比2.4%へ小幅上昇したため、今週の物価指標の重要度は高い。市場予想からの乖離(サプライズ)があれば、現状の静かな相場からのブレイクアウト(レンジを明確に上抜け・下抜けする動き)を誘発し得る。