銀(XAG/USD)は約79.50ドルまで下落し、先週金曜日に付けた1カ月高値(83.00ドル超)から約4ドル安となった。80.00ドルを下回った水準で推移している。背景には、米ドルへの需要が戻ったことに加え、米国とイランが短期に和解するとの見方が後退したことがある。
イラン外務省は、火曜日にパキスタンで予定されていた第2回協議を欠席すると表明した。これは、米軍が日曜日にイラン船籍の貨物船を拿捕(だほ:当局が船舶を拘束・押収すること)したことを受けた動きで、イラン側は「停戦合意に違反した」と主張している。
テクニカル面では、銀は3月23日の安値から続く上昇チャネル(一定の範囲で高値・安値を切り上げる値動きの通路)の中にある。4時間足ではRSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)はおおむね50付近、MACD(移動平均収束拡散法:短期と長期の移動平均の差で勢いをみる指標)はゼロ(基準線)を下回っている。
下値支持線(サポート)は78.80ドル近辺。さらに、4月8日の高値と4月16〜17日の安値を根拠に78.00ドルをやや下回る水準にもサポートがある。次の下値の目安は、4月10日の安値付近の72.60ドル。
上値抵抗線(レジスタンス)は80.80ドル。ここを上抜ければ、金曜日の高値83.06ドルが視野に入る。テクニカル分析の一部はAIツールを用いて作成された。
銀は直近の83ドル超の高値から反落し、80ドルをわずかに下回る水準で落ち着いている。投資家が米国・イラン情勢の早期解決への期待を抑え、資金が米ドルへ向かったことが主因だ。きっかけは、米国がイランの貨物船を拿捕した後、イランが協議を見送ったことにある。
価格は、3月下旬に始まった上昇チャネルの下限付近で推移している。注目すべき水準は下限の78.80ドルで、直近の上値は80.80ドルが抑えている。どちらかに明確に抜けるかどうかが、今後数週間の方向性を左右しやすい。
不透明感が強い中、オプション取引(将来の一定期間内に、あらかじめ決めた価格で売買できる権利を売買する取引)では、ボラティリティ(価格変動の大きさ)が高い局面を機会とみる向きもある。上昇チャネルという強気要因と、地政学ニュースという弱気要因が拮抗しており、上下どちらにも大きく動きやすい。たとえばロング・ストラドル(同じ権利行使価格・期限のコールとプットを同時に買い、方向は問わず大きな値動きで利益を狙う戦略)は、レンジを抜けて大きく動く局面で利益になりやすい。