金曜日の北米時間、イランがホルムズ海峡(中東の主要な海上輸送路)を再開したとの報道を受け、GBP/USD(英ポンド/米ドル)は上昇した。今回の動きは、レバノンでの停戦合意を受けたものでもある。
英ポンドは米ドル安を背景に、日中高値を1.3600近辺まで伸ばした。執筆時点でGBP/USDは1.3567と、前日比0.36%高となっている。
2025年末には、ホルムズ海峡の再開が伝わった局面で市場が反応し、GBP/USDが1.3600方向へ急伸した経緯があった。地政学リスク(国際情勢の緊張が市場に与える不確実性)が低下すると、安全資産(リスク回避局面で買われやすい資産)としての米ドルが弱含みやすいことを示した形だ。急な緊張緩和で多くの参加者が対応を迫られ、ポンド高を見込んでいた向きが有利となった。
足元では、通貨市場のインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される将来の予想変動率)が2024年初以来の低水準まで低下している。これは市場全体の警戒感が薄い状態を示唆する。例えば、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の英ポンド・ボラティリティ指数(BVP)は足元で5.8近辺にあり、過去の危機局面で見られた二桁水準から大きく低下した。変動率が低い環境では、オプションのプレミアム(オプションを買うための価格)が相対的に安くなり、将来の急変を見込む投資家には購入コストが抑えられる。
ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)面でも、ポンドが対ドルで底堅くなり得る材料がある。2026年1-3月期の最新データでは、英国のコアインフレ率(エネルギーや食品など変動の大きい品目を除いた物価上昇率)が3.4%と高止まりし、イングランド銀行の目標を大きく上回った。一方、米国のインフレ率は2.7%まで鈍化しており、FRB(米連邦準備制度理事会)にとっては年後半の金融緩和(利下げなど景気を支える政策)を検討しやすい環境になりつつある。