イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は金曜日、動画声明でレバノンと「歴史的な合意」に向けた機会があると述べた。ロイターが報じた。同氏は、レバノンと暫定的な10日間の停戦に合意したとも語った。
ネタニヤフ氏は、イスラエルの主要な要求はヒズボラ(レバノンの武装組織・政治勢力)を解体することだと述べた。また、イスラエルが「南レバノンから国際的な国境線まで撤退する」というヒズボラ側の要求には同意していないとした。
Israel Lebanon Ceasefire And Security Zone
同氏は、イスラエルはシリア国境に至るまでの広範な「安全保障地帯」(軍が駐留し、武装勢力の侵入を防ぐために設ける緩衝地帯)を維持し、レバノンに残ると述べた。さらに、トランプ大統領から、ホルムズ海峡の封鎖(ペルシャ湾と外海を結ぶ重要な海上輸送路を通れなくする措置)を継続し、イランの核能力(核兵器開発につながり得る核関連の技術・施設)を無力化する決意だと伝えられたという。
市場では、米国時間にかけてリスク選好(投資家が株式など値動きの大きい資産を選びやすい状態)が維持された。米ドル指数(主要通貨に対するドルの総合的な強さを示す指数)は97.80近辺で推移し、週間レンジの下半分に位置、日中では0.4%安となった。
2025年にイスラエルとレバノンの暫定停戦が発表された際の楽観を想起させる。当時の10日間の停止は恒久合意につながらず、主要な要求が満たされないまま終わった。現在も緊張は続き、国境をまたぐ小競り合いが市場ニュースの常連となっている。
2025年に指摘されたイランとの未解決の緊張は、足元の原油市場に直接影響している。ホルムズ海峡付近での海上輸送の混乱が報じられるなか、ブレント原油先物(北海ブレントを指標とする原油の先物取引)は1バレル115ドル近辺で推移し、エネルギーセクターの変動が大きい。供給ショック(供給が急減して価格が跳ねやすくなる事象)への備えとして、主要産油企業の長期のコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を通じたエクスポージャー(特定の値動きに対する持ち高・影響度合い)を得る手段があるとみる。
Market Volatility And Hedging Strategies
2025年に見られたリスク選好は後退した。CBOEボラティリティ指数(VIX、S&P500の予想変動率を基に算出される「恐怖指数」)は現在28近辺と高止まりしており、昨年の多くの期間に見られた10台前半とは対照的だ。これは、急激な情勢悪化に備え、S&P500のような株価指数に対するプロテクティブ・プット(下落時の損失を抑えるために買う「売る権利」のオプション)でヘッジ(損失を打ち消すための取引)を検討すべき局面であることを示唆する。
2025年の協議でイスラエルが求めたヒズボラ解体が実現しなかったことで、地域の軍事予算が高止まりしてきた。防衛セクターETF(複数の防衛関連銘柄に分散投資できる上場投資信託)であるITAは年初来で15%超上昇しており、継続する安全保障懸念を反映している。この分野の底堅さは続くとみており、アウト・オブ・ザ・マネーのプット(現時点では権利行使しても得にならない水準の「売る権利」)を売ることでプレミアム(オプション代金)を得る手段も考えられる。
2025年に見られたドル安局面とは異なり、地政学リスクの長期化でドルの安全資産としての魅力が再び意識されている。ドル指数はじり高となり、最近は107を上抜けた。こうした流れは続くと見込み、資源国通貨(豪ドルや加ドルなど、商品市況の影響を受けやすい通貨)に対するドルのロング(上昇を見込んだ買い持ち)を魅力的な取引とみる。