ユーロ圏の季節調整済み貿易収支は2月に70億ユーロとなり、前期の121億ユーロから減少した。
ユーロ圏の貿易黒字が121億ユーロから70億ユーロへ縮小したことは、ユーロにとって弱気(下落要因)のシグナルだ。黒字の縮小は、輸出の勢いが鈍っている可能性を示す。背景として、ユーロが対ドルで1.10近辺(1ユーロ=1.10ドル前後)に張り付くなど、直近のユーロ高が輸出に不利に働いた可能性がある。今後数週間は、主要通貨に対してユーロ安に備えたポジションを検討したい。
今回の貿易統計は、S&Pグローバルのユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数:企業の受注や生産などの景況感を指数化した指標)の3月値が48.5へ低下したこととも整合的だ。PMIは50を下回ると景気の縮小(生産活動の縮小)を示す。貿易黒字の減少が、内需の輸入急増ではなく輸出の低迷によって起きている可能性が高く、企業収益には逆風となりやすい。この点から、輸出比率の高い株価指数である独DAX(ドイツ主要30〜40銘柄で構成される代表的株価指数)を対象に、プット・オプション(あらかじめ決めた価格で売る権利。相場下落に備える手段)の購入を検討する余地がある。
欧州中央銀行(ECB)は、成長の鈍化とインフレの高止まりの板挟みとなっている。3月のHICP(消費者物価指数:ユーロ圏の物価動向を示す指標、速報値)が前年比2.6%だった。今後の政策金利(中央銀行が誘導する短期金利)の道筋が読みづらく、市場の変動(ボラティリティ:価格の振れの大きさ)が高まりやすい。こうした局面では、ユーロ・ストックス50(ユーロ圏の主要大型株指数)でストラドル(同じ条件のコールとプットを同時に買い、上下どちらかに大きく動けば利益を狙う戦略)を組むなど、大きな値動きそのものを取りに行く手法が選択肢となる。