GBP/JPYは金曜の欧州時間序盤に215.65~215.70まで上昇した後、小幅な上げを失った。215.30~215.25付近まで押し戻され、3日間のレンジ内で推移。日中はほぼ横ばいとなった。
ポンドは、木曜に発表された英国の月次GDP(国内総生産)が市場予想を上回ったにもかかわらず、上値が重い。IMF(国際通貨基金)の2026年4月時点の見通しでは、英国の2026年の成長率予測は0.8%へ下方修正され(2025年10月時点は1.3%)、イラン戦争に関連する影響を受けやすいG7(主要7カ国)経済の中で英国のリスクが最も大きいと指摘した。
円は、ホルムズ海峡の航行障害による経済への負担が懸念される中で弱含んだ。また、日銀の4月利上げ観測が市場で後退したことも円の重しとなり、GBP/JPYの下落余地を限定した。
足元の反落は、短期的な天井形成をまだ確認していない。今週前半には216.00近辺まで上昇し、2008年7月以来の高値水準となっていた。
ポンドと円に相反する圧力がかかり、GBP/JPYは215.00周辺の狭いレンジに閉じ込められている。こうした状況は、ブレイクアウト(価格がレンジを上抜け・下抜けして新しいトレンドに移ること)を起こしにくくする一方、大きな値動きへの備えを促している。市場の予想変動率を示す「1カ月物インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される将来の変動率見通し)」は13.5%まで上昇し、1年超で最高水準となった。
ポンドの重しは、IMFによる英国成長率見通しの下方修正が大きい。中東の紛争と、それに伴うサプライチェーン(供給網)の混乱に対する英国の脆弱性が意識されやすい。ポンド安を見込む向きは、214.50のサポート(下値を支えやすい水準)を下回る権利行使価格のプット(売る権利のオプション)を検討し得る。
一方で、円の弱さが顕著で、通貨ペアの大きな下落を抑えている。ホルムズ海峡では航行の混乱が続いており、同海峡は世界の石油供給のおよそ25%に関わる要衝とされる。エネルギー輸入への依存度が高い日本経済には強い逆風となりやすい。加えて、日銀が追加利上げを先送りするとの見方(金融政策の引き締めが遅れる観測)が円の魅力を低下させている。
この綱引きを踏まえると、向きを決め打ちしない戦略が妥当になりやすい。例えば「1カ月ストラドル(同じ権利行使価格でコール=買う権利とプットを同時に買う戦略)」は、レンジを抜けた後にどちら方向でも大きく動けば利益になり得る。
レンジ継続を見込む一方でリスク許容度が高い場合は、オプション・プレミアム(オプションの受け取り・支払いとなる価格)の獲得を狙う方法もある。例えば「アイアン・コンドル(上側・下側の離れた水準に、限定的な損失に抑えるよう組み合わせたオプション戦略)」で、直近レンジの214.00~216.50の外側にショート(売り)側の権利行使価格を置けば、ボラティリティ上昇局面を収益化しやすい。これは、満期(期限)までGBP/JPYがレンジ内で推移するほど有利になりやすい。