金は木曜日に反落したが、数週間続くレンジ相場は維持した。XAU/USDは一時4,838ドルまで上昇後、4,790ドル近辺で推移。米ドルが堅調で、金相場の重しとなった。
米・イラン戦争の終結に向けた協議は引き続き焦点となっている。ドナルド・トランプ氏は、イスラマバードでの協議が打開に至らなかったものの、今週中に交渉が再開する可能性があると述べた。湾岸諸国および欧州当局者はブルームバーグに対し、合意まで最大で半年かかり得るとしたうえで、停戦期間の延長とホルムズ海峡の再開を求めた。
イランはホルムズ海峡の管理権を制度面で固める動きを進めた。国営メディアは、通過に伴う「通行料(航行にかかる料金)」はイランの銀行経由で支払われると伝えた。パキスタン主導の外交は継続し、イラン当局者は一部の論点で隔たりが縮小したとした一方、核問題をめぐる対立は続いている。
金は戦後の高値から約10%下落した水準で取引された。原油高に伴うインフレ(物価上昇)リスクが意識され、利下げ観測が後退しやすい地合いが背景にある。セントルイス連銀のムサレム総裁は、供給面の混乱(供給ショック)がインフレと雇用の目標達成を脅かすと指摘し、食品・エネルギーなど変動の大きい項目を除いた「コアインフレ率」が年末まで3%近辺で推移する可能性に言及した。
テクニカル面では、金は50日SMA(50日単純移動平均線=過去50日間の平均価格を線で示した指標)である4,897ドル近辺を下回った。下値の目安(サポート)は100日SMA(過去100日間の平均)付近の4,708ドル近辺。RSI(相対力指数=買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)は51前後、ADX(平均方向性指数=トレンドの強さを示す指標)は24近辺だった。