米国の設備稼働率(工場などの生産設備がどれだけ使われているかを示す指標)は3月に75.7%となった。市場予想(76.3%)を下回った。
発表によると、設備稼働率は予想を下回った状態が続いた。本文には、ほかの数値や詳細は示されていない。
3月の設備稼働率が75.7%へ低下したことは、景気の勢いが想定以上に弱まっている兆しだ。予想の76.3%を下回ったことで、製造業を中心に「余力(生産能力の空き)」が広がっている可能性がある。これは先行指標(今後の景気や企業業績を先取りして示す材料)として、関連業種の企業利益が今後の四半期で伸び悩むリスクを示唆する。
この弱めのデータは、直近の3月コアCPI(食品とエネルギーを除いた消費者物価指数)で、前年比インフレ率が2.8%へ鈍化した流れとも整合的だ。生産活動の減速は物価上昇圧力を和らげやすく、米連邦準備制度理事会(FRB)にとっては利上げ(政策金利の引き上げ)をいったん見送る判断を後押しし得る。その結果、年内利下げ(政策金利の引き下げ)観測が高まりやすい。
株式では、景気敏感の工業・素材関連ETF(上場投資信託)であるXLI、XLBなどを対象に、プットオプション(一定の価格で売る権利)を買って下落リスクに備える選択肢がある。2025年の底堅い成長の反動として想定していた減速が、統計として表れ始めた可能性があり、当面は守りを重視した運用が望ましい。
債券(金利)市場では、米国債先物のロング(買い持ち)を通じ、利回り低下(債券価格上昇)を見込む戦略を支持しやすい。過去には設備稼働率が78%を下回る局面で、市場の変動(ボラティリティ)が高まりやすかった。そこで、VIX(株価の予想変動率を示す指数)のコール(買う権利)を、権利行使価格が高めの「アウト・オブ・ザ・マネー」で少額購入し、急な変動に備える方法もある。