韓国の3月の輸入物価は前年同月比18.4%上昇した。前回(前年同月比1.2%上昇)から伸びが大きく拡大した。
輸入物価の急上昇(1.2%→18.4%)は、無視できないインフレの兆候だ。企業が海外から調達する原材料や製品のコストが上がり(コストプッシュ=企業側のコスト上昇で物価が押し上げられること)、韓国経済に強い圧力がかかっていることを示す。市場では韓国銀行(中央銀行)が一段と厳しい姿勢を取るとの見方が強まりやすい。
このデータは金融政策の判断を難しくし、今後の利上げ観測を高める材料となる。直近の消費者物価指数(CPI=家計が購入する商品・サービスの価格の平均的な動き)は前年同月比3.7%上昇と、目標の2%を上回っている。韓国銀行は「先行きの政策方針の示し方(フォワードガイダンス=将来の利上げ・利下げの方向性の発信)」を、より引き締め寄り(タカ派=利上げに前向きな姿勢)に修正する可能性がある。
債券市場では、韓国国債先物(KTB先物=将来の国債価格を取引する先物)に売り圧力がかかりやすい。利上げ観測が強まると、市場金利が上がり、債券価格は下がる傾向があるためだ。利上げ局面では債券相場が短期間で調整することがある。
為替市場では、韓国ウォン高要因になり得る。高インフレ自体は通常は通貨に逆風だが、大幅な利上げ観測が強まると、金利差を狙う取引(キャリートレード=金利の低い通貨で資金を調達し、金利の高い通貨に投資する取引)からウォンに資金が向かう可能性がある。ドル/ウォン(USD/KRW)は足元の1345付近から1300方向を意識しやすい。
株式市場には逆風となる。輸入コストの上昇は企業の利益率(マージン=売上に対する利益の割合)を圧迫し、とくに製造業への影響が大きい。株価指数の下落に備える方法として、KOSPI200のプットオプション(売る権利=価格下落時に利益が出やすい権利)を買う戦略がある。コスト増と金利上昇が同時に進む局面は、株式に厳しい。
今回の輸入物価押し上げの主因はエネルギーとみられる。WTI原油(米国の代表的な原油指標)が足元で1バレル95ドルを上回って推移しており、外部要因による物価圧力が続きやすい。インフレが粘着化する懸念が残る。