韓国の輸出物価の上昇率は3月、前年同月比28.7%に拡大した。前回の10.7%から大きく伸びた。
今回の統計は、輸出物価の上昇ペースが前回より速まったことを示す。変化は前年同月比(1年前と比べた増減率)で測定される。
この急伸は、韓国景気の「物価上昇(インフレ)圧力」を示す重要なサインだ。背景としては、(1)世界の需要が強い、または(2)主要な製造業で原材料・部品・エネルギーなどの投入コストが上がっている可能性がある。
韓国銀行(BOK、韓国の中央銀行)は、この過熱の兆しに対応を迫られやすい。金融引き締めに前向きな姿勢(タカ派=インフレ抑制を優先し利上げを選びやすい姿勢)が強まり、近い将来の利上げ(政策金利の引き上げ)が現実味を帯びる。市場にあった「次の四半期は金利を据え置く(変更しない)」という見方に逆風となる。
為替では、韓国ウォン高の材料になり得る。利上げ観測は一般に通貨を押し上げやすく、対米ドルでのウォン上昇要因として意識される。
KOSPI200(韓国の代表的な株価指数)については見通しが割れる。輸出企業は販売価格の上昇が追い風になる一方、金利上昇は借入コスト増や株式の割高感(将来利益を現在価値に割り引く際の金利上昇)を通じて株式市場全体の重しになりやすい。
これは韓国だけの話ではない。貿易相手国にとっては「輸入による物価上昇(輸入インフレ=輸入品の値上がりが国内物価を押し上げること)」の予兆でもある。米国の輸入物価(海外から入る商品の価格)の上昇が続けば、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)が実施する利下げ(政策金利の引き下げ)への期待が後ずれする可能性がある。