英ポンドは対米ドルで0.3%上昇し、米国とイランの衝突前に記録していた水準まで戻った。北米時間の水曜日には1.35を上回って推移した。
英国の国債発行(政府が資金調達のために国債を新たに発行すること)への需要は強いとされ、財務省の入札(国債を売り出す手続き)だけでなく、大手金融機関の債券発行にも大型の注文が入った。木曜日に貿易統計と鉱工業生産(工場などの生産活動を示す指標)の発表を控えるなか、英国内の経済指標は限られていた。
焦点はイングランド銀行(BoE)の発言に移り、アンドリュー・ベイリー総裁らが注目された。金融政策委員会(MPC)のキャサリン・マン委員は「積極的」である必要に言及し、「大幅な利上げ・利下げ、あるいは長期据え置きの可能性」も示唆した。
テクニカル面では、ポンド/ドル(GBP/USD)のRSI(相対力指数。相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)が強気を示し、60を上回った。1.3450を下回る水準に下値支持(サポート。下げ止まりやすい価格帯)が置かれ、上値の重さ(レジスタンス。上昇が止まりやすい価格帯)は、2月半ばの高値である1.37付近まで限定的とみられた。
英ポンドは上昇基調を強め、対ドルで1.3550前後で取引されている。これは、第1四半期に地政学リスクで市場が不安定化する前の高値圏だ。背景には、新規発行の英国債(ギルト。英国政府が発行する国債)に対する予想以上に強い需要がある。
市場はギルト需要の強さを好感している。直近の10年債入札では、応札倍率(ビッド・トゥ・カバー。落札額に対する応募額の比率)が2.8と、2025年末以来の高水準となった。3月の英国インフレ率は2.9%となり、中銀目標を上回ったままで低下が鈍い。これにより、金利は「より長く高水準にとどまる」との見方が強まった。
統計発表が少ないなかで最大の変動要因はBoE当局者の発言だ。ベイリー総裁は最近、金融引き締め(景気・物価を抑えるために金利を高めに保つこと)を維持する姿勢を示し、利下げを急がない考えを示唆した。こうしたタカ派(利上げ・高金利維持に前向きな姿勢)のトーンは、ポンドをさらに下支えする可能性がある。
RSIなどのテクニカル指標は明確に強気で、上昇の勢いが続く可能性を示している。このため、投資家は1.37に近い行使価格(オプションを売買できる価格)のコールオプション(一定価格で買う権利)を検討する余地がある。1.37は2月の高値と重なる。コールオプションは上昇局面への参加を可能にしつつ、損失を支払ったプレミアム(オプション料)に限定でき、リスクを抑えやすい。