ラボバンクのストラテジストによれば、シンガポール金融管理局(MAS)は今回のエネルギーショック(エネルギー価格が急上昇し、景気や物価に大きな影響が出る局面)の最中、為替レート(通貨の価値)を通じて金融政策を引き締めた。シンガポールは1〜3月期(Q1)のGDP成長率がマイナスとなったにもかかわらず、コア・インフレ率(エネルギーや生鮮食品など価格変動が大きい品目を除いた物価の基調)が上振れする懸念があるためだという。
また、インドネシアがロシアと米国の双方と関係を深めている点にも言及した。インドネシアのプラボウォ大統領はモスクワでプーチン大統領と会談し、同国の国防相は米国との防衛協力(安全保障面での協力枠組み)を強化することで合意した。
この協力により、米軍機の上空通過(特定空域の通過)が認められ、米国防総省に中東・アジアへの新たな航路(軍用機の移動経路)が開けると報じられている。ストラテジストはこれらの動きを、エネルギーや貨物輸送の要所(通過が滞ると世界の供給に影響が出る重要地点)であるマラッカ海峡と結び付けた。マラッカ海峡はインドネシアとシンガポールの双方に関係する。
さらに、シンガポールは主要な水路での新たな「通行料ルート」(航行に対して課される料金や課金制度の導入)に反対しているという。ストラテジストは、アジアの外国為替相場が政策判断や地政学的な出来事(国家間の政治・安全保障上の緊張や対立)に反応し得ると指摘した。