インテル、半導体事業の大改革に挑む――足元の株価急騰は期待先行の可能性も

    by VT Markets
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    Apr 14, 2026

    インテルはリップブー・タンCEOの下で再建(業績の立て直し)を進めており、焦点は18Aプロセス(次世代の半導体製造技術)と、AIインフラ(AI向けの計算基盤)および製造受託サービスへの転換にある。市場がインテルを「既存の老舗チップメーカー」以上の存在として再評価し、株価は上昇している。

    目先の材料としては、18Aで作る「Panther Lake」のクライアント向けチップが出荷を開始した。サーバー向けCPU(中央演算処理装置)についても、AIの処理(AIワークロード)が広がるにつれて需要が改善しているとされる。アナリストの一部は、2026年のサーバーCPUはほぼ売り切れに近いとも指摘する。

    インテルは提携も相次いで発表している。エヌビディアによる50億ドル投資、グーグルがXeon(インテルのサーバー向けCPUブランド)とカスタムIPU(特定用途向けの推論・処理アクセラレーター)の周辺で複数年にわたり取り組みを拡大すること、TerafabのAIチップ構想への参加などだ。さらに、アイルランド工場(fab:半導体工場)に関するアポロの持ち分を買い戻す動きも進めた。

    リスク要因は、割高な株価評価(バリュエーション)と、近く発表される決算だ。インテル株は2027年予想利益ベースで約63倍(PER:株価収益率)で取引されており、エヌビディアの予想PERのおよそ3倍に当たる。インテルは2026年1〜3月期(Q1)決算を4月23日に発表し、売上高は約122億ドル、EPS(1株当たり利益)はおおむね損益トントンを見込むガイダンス(会社の業績見通し)を示している。

    インテル・ファウンドリー(半導体の受託製造事業)は、大規模量産での実力がまだ証明されていない。AMD、エヌビディア、TSMC(台湾積体電路製造)との競争環境では遅延への許容度は小さい。株価は9営業日で50%超上昇し、同社史上最速の上げとなった。RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)は買われ過ぎの状態を示している。

    決算発表まで9日という局面で、状況は極端に「勝つか負けるか」(バイナリー)になっている。株価は短期間で50%超急伸し、今回の決算の重要度を一段と高めた。もはやゆっくりした割安株投資ではなく、勢い(モメンタム)に支えられた展開が最初の大きな試練を迎える。

    オプション市場(将来の売買権利を取引する市場)も緊張を映している。インプライド・ボラティリティ(予想変動率:オプション価格から逆算される、将来の価格変動の見込み)は、発表後に株価が上下いずれにも10%超動く可能性を示唆する。オプションを単純に買うのは割高だが、決算と見通しへの反応が大きいと市場が見ていることの裏返しでもある。重要なのは上か下かの一点張りではなく、想定される変動の大きさに備えることだ。

    強気(ブル)寄りなら、アウト・オブ・ザ・マネーのコール(今の株価より高い価格で買う権利)を買う、またはコール・スプレッド(コールを買い、別のコールを売ってコストを抑える戦略)を5月限で使い、好決算と上方修正を狙う方法がある。強気シナリオの鍵は、経営陣がサーバーCPU需要の強さを確認し、ファウンドリー事業の売上の節目を具体的に示すことだ。ここで良いサプライズが出れば、上昇を取り逃した投資家が高値でも追いかける展開になり得る。

    一方で「材料出尽くしで売る」(セル・ザ・ニュース)のリスクも現実的だ。株価が予想PERで約63倍まで買われているためである。2025年7〜9月期(Q3)にも、決算前の上昇後、内容が堅調でも突出していなかったために10%下落した例があった。同様の再現を見込むなら、プット(株を一定価格で売る権利)を買う、またはプット・スプレッド(プットを買い、別のプットを売ってコストを抑える戦略)で、見通しが弱く評価が切り下がる(ディレーティング)局面に備える選択肢がある。

    オプション費用が高い点を踏まえると、ロング・ストラドル(同じ権利行使価格のコールとプットを買う)やストラングル(異なる権利行使価格のコールとプットを買う)といった、変動の拡大を狙う中立的な戦略も考えられる。いずれも上下どちらかに大きく動けば利益になりやすく、市場が織り込む「10%の変動」が実際には小さすぎる、という見立てに賭ける形だ。4月23日の決算が再建ストーリーにとって「本当に白黒がつく」イベントである、という見方とも整合する。

    直近の上昇で株を買い持ち(ロング)し含み益がある投資家にとっては、今がヘッジ(損失を抑える保険)の検討局面だ。プロテクティブ・プット(保険としてプットを買う手法)を使えば、これまでの利益を守りつつ、決算をまたぐ下落リスクに備えられる。上昇余地を残しながら、下値の目安(フロア)を設定できる。

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