中国の3月の輸出は前年同月比7.1%増となった。市場予想(8.3%増)を下回った。
今回の統計は、輸出の伸びが予想より鈍化したことを示す。比較対象は前年同月の輸出である。
通貨への影響
中国の3月輸出の伸びが予想を下回ったことは、世界の製造品需要が弱まりつつある可能性を示す。中国景気の影響を受けやすい通貨、例えば豪ドルに下押し圧力がかかりやすい。AUD/USDはすでに約0.6550と3カ月ぶりの安値圏にあり、今後数週間で0.64付近までの続落に備え、オプション(将来の価格をあらかじめ決めた条件で売買できる権利)で下落に備える戦略を検討したい。
この統計は工業用の素材(産業用コモディティ)にも直結する。中国は世界最大級の消費国であるためだ。銅については、LME(ロンドン金属取引所)で1トン当たり8,400ドルを下回っており、下落を見込む戦略(弱気戦略)を検討している。銅先物(将来の受け渡しを約束して価格を固定する取引)を売る、または中国需要への依存度が高い大手鉱山株のプットオプション(下落時に利益が出やすい売る権利)を買うことが選択肢となる。
中国への依存度が高い世界の株価指数、特にドイツのDAX(ドイツ主要株価指数)は影響を受けやすい。中国指標の悪化で関連株が売られやすく、DAX指数のプットオプションを買うことで、指数全体の下落に備えることができる。
予想下振れによる不確実性は、市場の値動きの大きさ(ボラティリティ)を高めやすい。このため、VIX(米国株の予想変動率を示す指数)などのボラティリティ指数のコールオプション(上昇時に利益が出やすい買う権利)を買うことは、市場全体の混乱に備える防御策(ヘッジ)になり得る。安全資産志向(リスク回避)が強まれば国債が買われやすく、国債先物(国債を対象にした先物取引)で買い持ち(ロング)を取る戦略も利益につながる可能性がある。