米ドル/円は月曜日、大きく振れた。159.86円近辺まで上昇した後、159.35円前後まで戻し、前日比ほぼ横ばい。4月上旬以降は、およそ158.00〜160.00円の約200pips(pips=為替レートの最小の値動き単位。ドル/円では通常0.01円=1pips)のレンジで推移している。
市場の関心は、4月27〜28日の日本銀行(日銀)の会合に向かう。利上げ観測が強まっているためだ。日本は原油のほぼ全量を輸入に頼っており、2月下旬以降ホルムズ海峡が実質的に通れない状況となったことで、エネルギーコストが上昇している。
ドルは軟化、イラン情勢を注視
リスク選好(投資家がリスクの高い資産を取りやすくなる状態)が改善し、米ドルは軟化した。注目はイランを巡る紛争と、事態収束への期待にある。火曜日は、3月のPPI(生産者物価指数=企業が出荷する段階の物価の動き。消費者物価に先行しやすい)が前月比1.2%(2月は0.7%)、前年比4.6%(同3.4%)と予想されている。併せて、グールズビー、バー、バーキン、コリンズ、ポールソンの講演も予定される。
5分足では、当日の始値159.73円を下回って推移し、ストキャスティクスRSI(価格の勢いを示すRSIをさらに加工した指標。買われ過ぎ・売られ過ぎの目安に使う)は90近辺から30台後半へ低下している。4時間足では、価格は200期間EMA(指数平滑移動平均=直近の価格により重みを置く移動平均)158.51円を上回る一方、ストキャスティクスRSIは74.46。
円相場は、日本の景気、日銀の政策、日米金利差、そしてリスクセンチメント(市場心理)に左右される。2013〜2024年の超緩和(極めて低い金利や資産買い入れによる金融緩和)は円安要因となり、2024年以降の方針転換で、米国金利との差は縮小してきた。
2025年4月を振り返ると、米ドル/円は重要な160.00円の上抜けに苦戦した。中東情勢に伴うエネルギー高で、同月の日銀が利上げするとの見方が強まり、円高を見込む動きが上値を抑えた。
過去高値圏で介入リスクが上昇
その後、2025年後半に160.00円は上抜けた。これを受け、日本当局は為替介入(政府・日銀が市場で通貨を売買し、急激な変動を抑える措置)として円買い・ドル売りを実施し、ドルを押し下げた。ただし動きは一時的だった。背景にある日米金利差が大きいままだったためだ。日銀の対応は、円安の進行を遅らせる効果にとどまり、流れを反転させたとは見られていない。
そして本日、2026年4月14日時点で、米ドル/円は165円近辺で推移しており、上昇圧力が続いている。米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ局面に入ったばかりで政策金利は4.75%。一方、日銀の利上げは非常に緩やかで、政策金利は0.25%にとどまる。この差により、円を持つよりドルを持つ方が利回り面で有利な状態が続いている。
この経緯は、上昇トレンドは強い一方、過去高値に近づくほど介入による急落(短時間での下落)のリスクが高いことを示す。デリバティブ(先物・オプションなどの派生商品)を用いる投資家は、ボラティリティ(価格変動の大きさ)に注目したい。例えば、円コール(将来、一定のレートで円を買える権利。円高に備える)やドルプット(将来、一定のレートでドルを売れる権利。ドル安に備える)を買うことで、サプライズ介入による急な円高に備えつつ損失を限定できる。
一方で、キャリートレード(低金利の通貨で資金を借り、高金利の通貨に替えて運用する取引)は依然として主流だ。米10年国債利回りは足元で約4.1%、日本国債10年は約0.9%で、ドルの魅力が高い。トレーダーは通貨先物(将来の特定日に決められたレートで通貨を売買する契約)を使い、ドル買い/円売りのポジションを組成し、スワップ(2通貨間の金利差に基づく受け払い)=金利差収益の獲得を狙うことも可能だ。