CFTC(米商品先物取引委員会)が公表するFXポジションデータによると、投機筋(短期の売買で利益を狙う投資家)は米ドルの買い持ち(ロング、ドル高で利益が出る持ち高)を積み増している。中東情勢の緊迫化を受け、ドルは「安全資産(有事に買われやすい資産)」として選好されている。
足元のドル買い持ちは、近年のピークと比べると小さい。ドルは2月下旬以降、現物市場(スポット市場、即時受け渡しの取引)で上昇しているが、短期の値動きは投資家のリスク選好(リスクを取りやすいかどうか)と、米利下げ見通しの変化に左右されやすい。
ドルの安全資産としての需要
ドルが安全資産とされる背景には、流動性(売買しやすさ)が高く、国際取引の決済通貨(支払いに使われる中心通貨)として広く利用されている点がある。この役割は当面続く見通しだ。
投機筋は米ドルの買い持ちを積み増しており、中東での紛争が続く中、ドルは引き続き主要な逃避先となっている。リスク回避局面では、ドルが安全資産として買われやすい状況が続くと見る。加えて、米利下げが早期に実施されるとの見方が後退していることも、ドルを下支えしやすい。
ドル高の背景には、インフレ指標の強さもある。米消費者物価指数(CPI、消費者が購入するモノやサービスの価格変化)では、2026年3月が前年比3.1%となり、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期を年後半へと先送りした。2025年後半に強まっていたハト派的(金融緩和に前向き)な見方から、見通しが大きく変化している。