米国の消費者信頼感は4月上旬に低下した。金曜日に公表されたミシガン大学の速報値によると、家計は現状と広い意味での景気見通しの評価を引き下げた。
消費者信頼感指数(Consumer Sentiment Index:消費者心理を指数化した指標)は前月の53.3から47.6へ低下し、市場予想(52)を下回った。調査開始から70年超で最低水準となった。
Consumer Sentiment Hits New Low
現況指数(Current Conditions:現在の家計状況や景気の実感を示す指数)は55.8から50.1へ低下した。期待指数(Expectations:今後の景気・家計の見通しを示す指数)は51.7から46.1へ下がった。
インフレ期待(今後の物価上昇率の見込み)は上昇し、1年先は3.8%から4.8%へ上振れた。5年先は3.2%から3.4%へ小幅に上昇した。
為替市場では米ドルが上値の重い展開となり、数週間ぶりの安値圏で推移した。米ドル指数(US Dollar Index:主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数、DXY)は98.50近辺へ戻った。
数年前を振り返ると、消費者信頼感が広範な景気悲観を背景に70年超で最低水準まで急落した局面があった。当時、家計の1年先インフレ期待は4.8%付近まで上昇していた。こうした「スタグフレーション懸念」(景気停滞と物価上昇が同時に起きる不安)は市場環境を悪化させ、米ドルも大きく下落した。
Market Strategy Shifts With Lower Volatility
ボラティリティ(価格変動の大きさ)が低い環境では、株価指数デリバティブ(株価指数を対象とする先物・オプションなど)への取り組み方も変わる。VIX(S&P500の予想変動率を示す「恐怖指数」)が14近辺の落ち着いた水準で推移する局面では、主要指数のアウト・オブ・ザ・マネー(現時点で権利行使しても利益になりにくい水準)のコール(買う権利)とプット(売る権利)を売る戦略により、プレミアム(オプション取引で受け取る/支払う代金)を狙う選択肢が出てくる。かつてのような極端な恐怖が後退すると、高いヘッジ(損失回避のための保険)需要も弱まりやすい。
米連邦準備制度理事会(FRB)が急ピッチの利上げ局面ではない分、金利デリバティブ(政策金利や短期金利の動きを材料にした先物・オプション)にも機会がある。市場参加者はSOFR先物(担保付翌日物調達金利=SOFRに連動する先物)のオプションを使い、政策金利の据え置きや、経済指標次第でゆっくり利下げするシナリオに備えることができる。米ドル指数についても、かつて98.50近辺の安値を試していた局面とは異なり、104を上回って推移する局面では戦略の見直しが必要となる。