EUR/GBPは木曜日、米国とイランの停戦をめぐる不透明感から方向感が出にくく、狭い値幅で推移した。前日に1週間ぶり安値となる0.8686近辺まで下落した後、0.8700をわずかに上回る水準を維持している。
テクニカル面では、通貨ペアは引き続き「下降ウェッジ(下落しながら値動きの幅が徐々に小さくなる形。売り圧力が弱まり、反転の兆しになることがある)」の範囲内にある。現在はウェッジの上限を試しつつ、0.8685〜0.8710に位置する50日・100日・200日「単純移動平均(一定期間の終値の平均で、相場の基調をみる指標)」を上回って推移している。
Technical Momentum Signals
「RSI(相対力指数。買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)」は55付近で、買われ過ぎではないものの、やや強含みの状態を示す。「MACD(移動平均収束拡散。短期と長期の移動平均の差で勢いをみる指標)」はプラス圏を維持しており、上向きの勢いは残るが強いとは言いにくい。
価格がウェッジ上限の抵抗線を上抜けし、その水準を維持できれば、0.8750、次いで0.8800が視野に入る。一方、移動平均線が重なるゾーンを下回れば、0.8650、その後はウェッジ下限の0.8610近辺へ下押しする可能性がある。
0.8610近辺の支持帯を明確に下抜ければ、反転シナリオは崩れ、見通しは下方向に傾く。
Shifting Macro Backdrop
足元の経済指標は、英国とユーロ圏の方向性の違いを示している。2026年3月のユーロ圏インフレ率は予想を上回る2.8%となり、ECB(欧州中央銀行)が「タカ派(インフレ警戒から利下げに慎重、もしくは利上げ寄りの姿勢)」を維持しやすい。一方、英国の2026年第1四半期GDP(国内総生産。国全体の生産・所得の規模を示す指標)の速報値は前期比0.1%減となり、夏までに英中銀(イングランド銀行)が利下げに踏み切る可能性を高めている。