ロシア中央銀行の外貨準備高(外国通貨や金などの「国の予備資産」)は、7,754億ドルから7,675億ドルへ減少した。
直近の報告期間で7.9億ドルの減少に相当する。
準備高の減少は、ルーブル防衛(自国通貨の急落を抑える政策)を示す。中央銀行が外貨を売り、ルーブルの下落を抑えた可能性が高い。2026年1~3月期は比較的落ち着いていたが、足元では負荷が出始めている。これは、景気や財政などの基礎的な圧力により、当局が対応を迫られていることを示唆する。
ドル/ルーブル(USD/RUB)は数カ月にわたり105~110の狭い範囲で推移してきたが、今回の動きは管理フロート(当局が介入しつつも市場の動きを一定程度認める為替制度)が揺らぐ兆しだ。ルーブルのオプション(将来の為替をあらかじめ決めた条件で売買できる権利)で示されるインプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の変動の大きさ)は、今週だけで19%から24%へ上昇した。相場急変に備え、権利行使価格が現在の水準より高いアウト・オブ・ザ・マネー(現時点では利益が出ない条件)のUSD/RUBコール(ドル高・ルーブル安に備える買う権利)の購入を検討したい。115を上回る水準への上振れを想定する。
背景には商品市況の下落がある可能性が高い。北海ブレント原油は1バレル82ドルまで下落し、2025年10~12月期の95ドル超から大きく下げた。これは国家歳入の減少につながり、国内へのドル流入を細らせる。その結果、財政の穴埋めや為替の安定のために準備資産への依存が強まりやすい。
ルーブル安はインフレ(物価の上昇)を再び強める。2025年は多くの期間で6.5%程度に落ち着いていたが、通貨安は輸入品の価格を押し上げやすい。ロシア中銀は追加利上げを迫られる可能性があり、これは国内景気や株式市場の重しとなる。リスクに備える手段として、MOEXロシア指数先物のショート(先物を売って下落に備える取引)を検討する余地がある。