米国のコア個人消費支出(コアPCE)は第4四半期に前期比2.7%上昇した。市場予想と一致した。
コアPCE価格指数は、食品とエネルギーを除いた物価の動きを示す指標で、消費支出に含まれる価格の基調(いわゆる「基礎的なインフレ」)を確認するために使われる。
市場への影響と変動性
2026年4月9日時点で、2025年10~12月期のコアPCEが予想どおり2.7%となったことで、市場の不確実要因が一つ減った。結果に意外性がないため、オプション市場で見込まれる変動率(インプライド・ボラティリティ=オプション価格から逆算される将来の価格変動予想)は低下しやすい。今後の焦点は、米連邦準備制度理事会(FRB)が「高止まりしている」インフレをどう評価するかに移る。
2.7%はFRBの物価目標2%をなお大きく上回り、短期的な利下げの可能性は高くない。2026年3月の雇用統計で雇用者数が21万5,000人増と堅調だったこともあり、FRBが早期に金融政策を緩める必要性は小さい。金利の先物やオプションなどの市場(デリバティブ=将来の金利水準に連動する金融商品)では、2026年6月会合での利下げ確率が30%を下回った。
株価指数を取引する投資家にとっては、上昇局面に備えるコール(買う権利)を売る、またはコール・クレジット・スプレッド(コールの売りと買いを組み合わせ、受け取り額を上限利益とする戦略)を使う考え方が出やすい。「金利が高い状態が長く続く」局面では、S&P500のような株価指数は上値が重くなりやすい。相場が横ばい、または小幅安で推移すれば、これらの戦略が利益になりやすい。
同様の流れは2024年にもみられた。インフレの高止まりで利下げ期待が何度も後ろ倒しとなり、大きな値動きを見込みにくい局面が続いた。大きな方向性に賭けるより、値動きの拡大を見込まない戦略が有利になりやすかった。インフレの鈍化がより明確になるまでは、急な上昇相場を前提としたポジションには慎重さが求められる。