米国の継続失業保険申請件数(継続受給者数)は、3月27日終了週で179.4万人となった。市場予想の184万人を下回った。
結果は予想より4.6万人少ない。これらの統計は、失業給付を受け続けている人の数を示す。
労働市場はなお逼迫
3月末の継続失業保険申請件数が予想を下回ったことは、労働市場の逼迫(人手不足で企業が人材を確保しにくい状態)が続いていることを示す。労働需給が強いと賃金が上がりやすくなり、物価上昇圧力(インフレ)を支えやすい。このため、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ(政策金利を引き下げること)を急ぐ必要が小さい。
この雇用情勢は、政策当局が高金利を長く維持しやすい状況だとみる。市場は過去にも、利下げを先回りして織り込んだが、FRBは雇用や物価の強さを理由に慎重だった。直近の米消費者物価指数(CPI、消費者が購入する品目の価格動向を示す指標)でも、インフレ率が3.1%と下がりにくい状況が示され、慎重姿勢を後押しする。
そのため、金利は夏場まで高止まりしやすいと想定する。具体的な対応としては、SOFR先物(担保付翌日物資金調達金利を基準にした金利先物)に対するプットオプション(将来、あらかじめ決めた価格で売る権利)を買う方法がある。市場が7月利下げ観測を後退させれば利益になり得る。発表後に米2年国債利回り(2年債の利回り)が4.75%を上回ったことは、こうした見方が広がりつつあることを示す。
この環境は株式にも逆風になりやすく、下落への備えを検討する。ナスダック100指数のプットオプション購入は一案だ。成長株中心のハイテク株は、借入コスト(資金調達にかかる金利)が上がる局面で業績期待が評価されにくい。VIX指数(株式市場の予想変動率を示す指標)が16を上回る場面もあり、ヘッジ(保有資産の損失を抑えるための取引)コストと効果のバランスが改善しやすい。
FRBが据え置き(政策金利を当面変えないこと)を続け、他の中央銀行が金融緩和(利下げや資金供給で景気を支える政策)を検討するなら、ドルは下支えされやすい。ドル指数(DXY、主要通貨に対するドルの強さを示す指数)はすでに105.50を上回り、金融政策の方向性の違いを反映している。ドル円では、ドルのコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を検討する。政策の差が続けば、ドル高要因になりやすい。