INGは、ポーランド国立銀行(NBP)が政策金利を3.75%で当面据え置く可能性が高いと指摘した。今回は新たな予測(経済・物価見通しの公表)がなく、3月の利下げ後として初の会合であるため、総裁の記者会見の内容が焦点になるという。
市場では、米国とイランの停戦発表を受けて、織り込まれていた利上げ期待が約1.5回分後退した。INGによれば、1年先の利上げ織り込みは20bp(ベーシスポイント=金利0.01%)未満にとどまり、中東欧(CEE=中東欧州)地域で最も低い水準だという。
政策とインフレの背景
INGは、燃料市場における政府の対応により、インフレ率は中銀の許容レンジ(目標の周辺で容認される変動幅)内におおむね収まる見通しだとした。その結果、金利は長期間にわたり据え置かれると予測した。
EUR/PLN(ユーロ/ズロチ)は1年で最大の1日下落を記録し、紛争前水準からの上昇分の約半分を打ち消した。INGは、この通貨ペアと地域市場は依然として地政学ニュースに左右されやすく、リスク心理(投資家がリスク資産を買いやすいかどうか)が良好で停戦が維持されても、4.220を再び下回るには時間がかかる可能性があると述べた。
足元では状況が変化している。NBPは根強い物価上昇圧力を抑えるため、姿勢を引き締めている。政策金利(中銀の基準となる短期金利)は4.50%となり、2026年3月のインフレ率は4.1%とされる。これは前年より「タカ派的」(インフレ抑制を重視し金利を高めに維持しやすい姿勢)で、EUR/PLNは足元で4.280近辺で推移している。これは引き締め政策を反映する一方、市場の新たな不確実性も示している。
戦略と重要水準
このため、2025年に見られたような分かりやすい回復局面とは異なる取引環境になっている。高金利がズロチを下支えする一方、地政学リスクの再燃が重なり、値動きのぶれ(変動)が大きくなりやすい。短期のEUR/PLNストラドル(同じ満期・同じ行使価格で、コールとプットを同時に買う取引。どちら方向でも大きく動けば利益になりやすい)を買い、今後数週間の大きな変動を狙う余地がある。
また、ポーランドとユーロ圏の金利差(両国・地域の金利水準の開き)は、2025年の据え置き局面より魅力的になっている。これにより、フォワード契約(将来の特定日にあらかじめ決めたレートで売買する予約取引)でPLNの受け取りを選ぶ戦略は、キャリートレード(金利の高い通貨を保有して金利収益を得る取引)として有効になりやすい。通貨ペアが大きく崩れず安定して推移すれば、金利収益がプラスになりやすい。
長期の目安としては、紛争前の4.220割れが参照点であるものの、当面の焦点ではない。今後数週間の重要水準は4.250のサポート(下値支持線。下落が止まりやすい水準)で、2026年2月以降に2度維持されている。ここを明確に下抜ければ、ズロチ高がさらに進むサインになり得る一方、維持できなければ、4.320近辺のレジスタンス(上値抵抗線。上昇が止まりやすい水準)を素早く試す展開もあり得る。