銀(XAG/USD)は水曜日、米ドル安が下支えとなり、一時高値77.65ドルを付けた後、74.50ドル近辺で推移した。上昇率は約2%。価格は方向感の出にくい展開が続き、市場は「米国とイランの停戦(2週間)」の行方と、合意がどこまで維持されるかへの不透明感を注視している。
報道によると、中東各地で空爆が伝えられ、イスラエルによるレバノンへの攻撃のほか、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、クウェート、カタール、バーレーンでも攻撃が報告された。イラン当局は、レバノンへの攻撃が続く場合、テヘラン(イランの首都)が停戦から離脱する可能性があると述べた。
Technical Levels On The Four Hour Chart
4時間足では、銀は「弱気フラッグ(下落後の戻りが小さく、一定の範囲内で推移する形。下落継続を示しやすいチャート形状)」の中で持ち合い。短期の下値メドとして、100期間SMA(単純移動平均線。一定期間の平均価格で、支持線・抵抗線の目安になる)である72.63ドルが意識されている。ここを明確に割り込むと、火曜安値の68.28ドル付近、さらに3月のスイング安値(直近の波動で付けた安値)である61.00ドル近辺が次の下値候補となる。
上値抵抗は200期間SMAの79.00ドル近辺で、フラッグ上限とも重なる。ここを継続的に上抜ければ、次は80ドル台半ば、その後に90.00ドルが視野に入る。
モメンタム(値動きの勢い)はやや上向き。RSI(相対力指数。買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は50台半ば、MACD(移動平均を使い、上昇・下落の勢いを確認する指標)はプラス圏にある。銀価格は、地政学リスク、金利、米ドルの動き、工業需要、鉱山供給、リサイクル供給、金価格の流れなどの影響を受けやすい。
Strategy Considerations For Traders
工業需要は、銀の基調的な支えだ。世界的な再生可能エネルギー(グリーンエネルギー)政策を背景に、太陽光発電(フォトボルタイク。発電用の太陽電池)向け需要が2025年を通じて推定18%増えたとされ、2026年1~3月期もこの流れが続いているとの報告がある。実需が底堅く、下落余地を抑えやすい。
金銀レシオ(金価格を銀価格で割った比率)も重要な手掛かりとなる。足元は86近辺で推移し、過去の平均より高い水準にあり、相対的に銀が割安と示唆される。2025年後半の荒い値動きの局面では80近辺まで低下しており、心理が改善する局面で銀が金を上回りやすいことを示している。
この環境では、銀の基礎的な強さを生かしつつ、変動への備えを重視した戦略が選択肢となる。例えば、XAG/USDのアウト・オブ・ザ・マネーのプットオプション(現値より低い行使価格の売る権利。売り手はプレミアム=受取料を得るが、下落局面の損失リスクがある)を売ってプレミアムを得る方法は、実需が下値を支える前提を活用しやすい。より強気の見方なら、ブル・コール・スプレッド(コールオプションの買いと売りを組み合わせ、最大損失を限定しつつ上昇を狙う手法)が、上昇を狙いながらリスクを抑えるやり方になる。