米国の耐久財受注(輸送関連を除く)は2月に前月比0.8%増となり、市場予想(0.5%増)を上回った。
今回の耐久財受注が予想を上回ったことは、企業の設備投資(企業が工場設備や機械、ITなどにお金を投じる動き)が想定以上に底堅いことを示す。景気が利下げを急ぐほど減速している、という見方に疑問が出る。市場が見込むよりもFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急がず、政策金利を高い水準で長く維持する可能性を前提に、戦略の見直しが必要になる。
FRB政策への含意
FRBのかじ取りはさらに難しくなる。2026年3月の最新インフレ指標ではCPI(消費者物価指数=家計が買うモノやサービスの価格の平均的な動き)が3.1%付近で推移し、目標の2%をなお上回るためだ。これを受け、FF金利先物(政策金利の見通しを織り込む先物)では、6月会合での利下げ確率は40%程度まで低下し、1カ月前の75%程度から大きく落ち込んだ。金利が「高いまま長引く」局面で有利になりやすいポジション(例:米国債ETFのプット=価格下落に備えるオプション)を検討したい。
株式市場では、設備投資の強さは景気敏感の工業や、企業投資の恩恵を受けやすいテクノロジーに追い風となり、S&P500やナスダック100を下支えし得る。主要株価指数のコール(上昇に賭けるオプション)でロング(買い持ち)を新規・追加する機会とみる。これは、2025年10-12月期(第4四半期)の好調な企業決算が、FRBの強気(タカ派=利下げに消極的)な発言にもかかわらず株価を押し上げた流れと整合的だ。
2025年半ばにも、強い経済指標が続き、金利警戒から相場が荒く方向感のない推移(もち合い)を長く経た後、最終的に上放れた局面があった。この経験から、短期的には金利不安で反応がぶれやすい一方、景気の底堅さは中期的に株式の支えになりやすい。今回も短期の変動(ボラティリティ)を経て、再び上昇局面に移行する展開があり得る。
FRBの利下げ時期を巡る不透明感が再燃すれば、市場の変動が足元の低水準から上がる可能性がある。VIX(恐怖指数=S&P500の予想変動率を基にした市場の不安度指標)は14近辺で推移しているが、こうしたサプライズは数週間で17〜18程度へ押し上げても不思議ではない。割安なヘッジ(損失を抑える保険)を買う、あるいはブル・プット・スプレッド(強気寄りのオプション組み合わせで、プレミアム収入を得つつ下落リスクを限定する取引)など、インプライド・ボラティリティ(オプション価格に織り込まれた将来の変動予想)の上昇が追い風になりやすい組成も選択肢となる。
為替市場では、この統計がドル高を後押しする材料になりやすい。すでにドル指数(DXY=主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は、底堅い経済指標を背景に3カ月ぶり高値の105.20まで上昇している。この流れが続けば、ユーロ/ドル(EUR/USD)のような通貨ペア(2通貨の交換比率)には下押し圧力がかかりやすい。EUR/USDはすでに2月に意識された重要な下値水準(サポート)を試す動きとなっている。