円の材料と原油リスク
一方、トランプ米大統領がイランに対する威嚇を強めたことを受けて原油価格が上昇し、円は逆風も受けていました。日本は中東からの原油輸入への依存度が高く、供給途絶リスクにさらされやすい状況でした。 トランプ大統領は、イランに対してホルムズ海峡の再開に関する新たな期限を設定し、発電所や民間インフラへの脅しも強めていました。イラン当局者は、米国関連インフラへの報復を示唆し、戦争被害が補償されるまで海峡は閉鎖されたままだと述べていました。 もっとも、EUR/JPYの追加下落は限定される可能性がありました。欧州中央銀行(ECB)の引き締め的な政策スタンスがユーロを下支えしているためでした。ラガルドECB総裁ら政策担当者は、インフレが2%目標に戻るまで政策は引き締め的であり続けると述べていました。ボラティリティ上昇局面の戦略
大きな値動きを見込む向きには、ストラドルやストラングルといったオプション戦略が有効となる可能性がありました。相場が大きく上にも下にも振れる局面で収益機会を得る狙いでした。過去の地政学リスクに伴う原油ショック局面では、主要円クロスのインプライド・ボラティリティが平均8%程度から15%超へ上昇したこともあり、オプション・プレミアム(コスト)の水準が重要な論点でした。実際の値動きが、既に押し上がったボラティリティ・プレミアムを上回れるかが鍵でした。 日銀の動きが最大のドライバーになるとみる場合、EUR/JPYの慎重なショートが選択肢となりました。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は、日銀が15bp利上げを実施する確率が75%超に高まったことを示唆しており、期待の急上昇でした。地政学リスクへの対応として、ホルムズ情勢が一段と悪化した場合の急騰に備え、アウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを購入してヘッジする方法も考えられました。 逆に、地政学要因が中銀政策を上回るとみるトレーダーはロングを検討する余地がありました。WTI原油が1バレル=115ドルを上回る水準まで上昇しており、2025年半ばの供給不安局面以来の高水準が意識されていました。輸入依存の高い日本にとって、円急落リスクが大きい状況でした。急な緊張緩和や、日銀の想定以上にタカ派的な判断に備えるため、ストップロス設定やプットオプション購入が重要でした。 タカ派的なECBはユーロの下値を支え、EUR/JPYの下振れ余地を相対的に抑える可能性がありました。つまり、円高が進んでもUSD/JPYなど他の円関連通貨ペアに比べて下落が和らぎやすい構図でした。この点から、原油ショックが最終的により強い力になると考える向きにとっては、大きく押した局面での押し目買いが興味深い戦略となり得ました。トレーディングを始めましょう – ここをクリックしてVT Markets口座を開設