日銀シグナルと市場の警戒感
日銀の植田和男総裁は火曜日、基調的なインフレ率は緩やかに加速すると見込まれるほか、賃上げを伴いながら物価目標の達成に向けて政策運営を行う旨を述べていました。ただ、これらの発言による円の下支えは限定的で、公的機関による市場対応への警戒感がくすぶっていました。 日本の三村淳財務官(国際担当)は、為替の変動性について政府としてあらゆる手段を検討し得ると述べていました。同時に、米ドル高基調と、英ポンドへの需要が限られていたことが、GBP/JPYの一段の上昇を抑える要因となっていました。 水曜日に発表された英国CPIは、イングランド銀行(BoE)のタカ派姿勢を裏付ける内容でした。BoEは先週、早ければ4月にも利上げの可能性があると示唆しており、ポンドを支え、上昇基調を維持する材料となっていました。 2025年を振り返ると、GBP/JPY上昇のファンダメンタルズ要因は想定通りに進み、当時言及されていた213.00の節目を大きく上抜けていました。同通貨ペアは昨年後半にかけても、BoEの利上げを背景に上昇を続けていました。しかし、この強い上昇トレンドを支えた力学には、足元で明確な変化の兆しが出ていました。中央銀行政策の方向性の変化
昨年の主要な支えとなっていたBoEのタカ派姿勢は、大きく後退していました。直近のデータでは、2025年第4四半期の英国経済は0.2%のマイナス成長となり、加えて2月のインフレ指標が3.5%まで鈍化したことで、2026年後半には利下げが織り込まれつつありました。これがポンド高を抑制し、クロスの一段高を難しくしていました。 一方で日銀は2026年1月、マイナス金利政策からついに転換し、歴史的な局面変化となっていました。日本の経済指標自体は依然として力強さを欠くものの、この措置によって、これまで円安圧力となっていた極端な政策格差が縮小していました。さらに、2025年後半に日本当局が複数回の為替介入を実施したことを踏まえると、過度な円安に対して通貨防衛の姿勢を示す用意があることも確認されていました。 主要なトレンド要因であった「中銀政策格差」が反転しつつあることから、単純にロングを保有し続ける戦略はリスクが高まりつつありました。市場が新たな環境に適応する過程で急変動が起こり得ることを踏まえると、ストラドルなどの手段を用いてボラティリティを買う方がより慎重なアプローチだとみられていました。GBP/JPYのインプライド・ボラティリティは足元で6カ月ぶり低水準となる8.2%近辺にあり、重要経済指標の発表を控える中でオプションは相対的に割安な状況でした。トレーディングを始めましょう – ここをクリックしてVT Markets口座を開設