GBP/USDは火曜日のアジア時間に小幅安となり、1.3520前後で推移した。前日は小幅に上昇していた。日足では上昇チャネル(右肩上がりの値動きの枠)の中にあり、9日指数平滑移動平均線(EMA:直近の値動きをより重視する移動平均)と50日EMAの上で推移。9日EMAは50日EMAを上回っている。
月曜日のGBP/USDは0.1%上昇し、1.3530近辺となった。先週の高値1.3600付近から下げた後の反発。直近は1.3500〜1.3600のレンジ(一定の値幅)で推移しており、4月上旬の安値1.3160付近から持ち直した流れが続く。
市場の注目は、2週間の期限付きで設定された米国・イラン停戦が水曜夜に期限を迎える点にある。トランプ大統領は延長は「極めて可能性が低い」と述べた。米国がオマーン湾でイランの貨物船を拿捕し、イラン革命防衛隊は報復を示唆。海上封鎖が終わるまでホルムズ海峡を閉鎖する計画を改めて主張した。
ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一晩で6%超上昇し、1バレル=89ドルとなった。GBP/USDは週初に下方向の窓(前日終値から離れて始まる価格差)を空けて1.3480近辺で始まったが、その後戻し、1.3525近辺で取引。ドル指数(DXY:主要通貨に対するドルの総合的な強さを示す指標)が約0.05%低下したことも追い風となり、0.13%高となった。
2025年にもGBP/USDが1.3500近辺で持ち合った局面があった。当時は米国・イランの緊張が高まり不透明感が強かったが、短期の移動平均線に支えられ、相場は地政学リスクを大きく織り込みにくかった。足元も同じ構図がみられる。
現在は、ホルムズ海峡を巡る摩擦の再燃でブレント原油先物が1バレル=92ドルを上回っている。昨年との共通点は多い。先週発表の英国インフレ率は2.8%と市場予想をやや上回り、イングランド銀行(英中銀)に利下げを急がない圧力がかかりやすい。こうした環境がポンドの下支えになっている。
高いイベントリスクの割に値動きが停滞している局面では、インプライド・ボラティリティ(将来の値動きの大きさに対する市場の見込み)が上がりやすい。VIX(米株の予想変動率を示す「恐怖指数」)は21まで上昇し、2025年10〜12月以来の市場不安を映している。デリバティブ(金融派生商品)取引では、オプション料(プレミアム)が上がりやすく、戦略の設計が重要になる。