米国のISMサービス業新規受注指数は5月に57.3と、前回の53.5から上昇し、サービス部門における新規受注の伸びが加速していることを示した。この動きにより、景況感の拡大・縮小の分岐点となる50を一段と上回った。
この上昇は、米経済活動の主要部分を占めるサービス分野で需要環境が強まっていることを示唆する。市場は、サービス部門の生産モメンタムや物価圧力の手がかりとして同指数を注視することが多い。
サービス部門の力強い成長がFRB運営を難しくする
サービス部門の新規受注は57.3へ大きく跳ね上がり、業況の加速を示す非常に強い水準となった。このデータは、多くの市場参加者が織り込んできた「景気減速」シナリオに反する内容だ。米国の基調的な需要がなお堅調であることを明確に示すシグナルとみている。
こうした想定外の景気の強さは、米連邦準備制度理事会(FRB)の舵取りをより難しくし、利下げ開始時期をさらに先送りする可能性が高い。すでにFRBの5月会合議事要旨では、インフレ(約3.4%)の鈍化に進展が乏しいことへの懸念が示されていた。今回の強い需要指標はその懸念を一段と増幅させ、「高金利の長期化(higher for longer)」の観測を補強する。
金利・債券・株式デリバティブへの示唆
この状況を踏まえ、年内に織り込まれている利下げ回数が減る方向を想定し、金利デリバティブのポジションを調整している。債券利回りが上昇すると見込み、米国債先物のショートを検討している。10年債利回りは、追随する指標がこの景気の強さを裏付ければ、直近高値圏である4.7%近辺を試す可能性がある。
株式デリバティブについては、成長の強さは企業利益に追い風となる一方、金利上昇はバリュエーションの重しとなるため、見通しは複雑だ。市場のボラティリティ上昇が見込まれ、今後数週間はVIX先物のロングやコールオプションが妙味を持つと考える。S&P500が高値圏に近いこともあり、金利見通しの再評価(リプライシング)に対して市場は脆弱になり得る。
また、セクター・ローテーションに備え、オプションを用いたポジショニングも進めている。景気の強さと金利高の恩恵を受けやすい業種を選好し、金融や資本財(インダストリアル)セクターETFのコール購入を想定する。反対に、公益(ユーティリティ)や不動産といった金利感応度の高いセクターには慎重で、プロテクティブ・プットなどの下方リスクヘッジ戦略を検討する。
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