銀(XAG/USD)は火曜の欧州時間に約1%下落し、79.00ドル前後となった。次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏の米上院承認公聴会を控え、売り圧力が強まった。
市場は、金融政策の方向性やFRBの独立性(政府からの影響を受けずに政策判断できるか)に関する手がかりとして、ウォーシュ氏の発言を注視している。ドナルド・トランプ氏は、利下げ(政策金利の引き下げ)に慎重なFRBとジェローム・パウエル議長を批判してきた。
1月30日の指名後、銀は前日に過去最高値付近の121.60ドルまで上昇した後、30%超の急落となった。この動きは、ウォーシュ氏が過去に量的緩和(中央銀行が国債などを買って市場に資金を供給する政策)に反対し、ドル高(米ドルの価値が上がること)を好む姿勢と結び付けられた。
イランが米国との協議再開に同意したとの報道も、銀相場の支えにはなっていない。停戦期待はこれまで、原油安がインフレ期待(将来の物価上昇見通し)を押し下げることを通じ、銀を押し上げる要因になっていた。
チャートでは、銀は20日EMA(指数移動平均線:直近の価格をより重く反映する平均)である77.04ドル付近に接近している。上昇三角形(高値が横ばい、安値が切り上がる形で値幅が縮むパターン)が見られ、値動きの小ささを示唆する。RSI(相対力指数:買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は54前後。上値抵抗は81.52ドル、次いで85.46ドル。下値目安は76.50ドル、その次が70.00ドル。
日足では79ドル近辺で価格が収れんしており、次期FRB議長の承認公聴会が材料待ちの状態だ。上昇三角形は、近く大きな値動きが起きやすいことを示し、方向は証言内容に左右されやすい。
XAGのオプション(将来の特定価格で売買できる権利)では、期近(満期が近い)契約のインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の変動率)が45%と、12カ月ぶりの高水準に上昇した。これは、直近の狭いレンジを超える値幅を市場が想定していることを意味し、三角形の上限81.52ドル、下限76.50ドルを抜ける動きが意識されている。デリバティブ(金融派生商品)取引では、方向当てよりも変動拡大への備えが焦点になる。