ニュージーランドの第1四半期のインフレ率(物価の上昇率)は前年同期比3.1%となり、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の目標レンジをわずかに上回った。エネルギー価格の上昇が、インフレを一段と押し上げる要因になるとみられている。
RBNZは、追加的な物価上昇圧力のリスクを理由に、金融政策(政策金利などで景気と物価を調整すること)を慎重に進める方針を示している。また、二次的波及(賃上げや価格転嫁が連鎖し、インフレが定着する現象)の明確な兆候を待っていると手遅れになり得るとも警告した。
5月下旬の会合での政策金利引き上げ(利上げ)が選択肢として浮上している。これは、ペルシャ湾周辺の情勢がどう進展するかに左右される。
利上げが実施されれば、ニュージーランドドルは短期的に下支えされる可能性がある。一方、中期的には景気の逆風とスタグフレーション(物価上昇と景気停滞が同時に起きる状態)リスクから、地合いは弱いとみられている。
第1四半期のインフレ率は3.1%と、RBNZの目標レンジを外れた。2025年末の2.8%から伸びが強まり、物価上昇圧力が定着する懸念が出ている。中銀はこの流れを問題視し、慎重姿勢を強調している。
背景の大きな要因はエネルギーコストの急上昇だ。北海ブレント原油は、先月のホルムズ海峡での緊張再燃を受けて1バレル95ドルを上回って推移している。こうした高値が物価指標に直接反映され、当面続く可能性がある。景気の減速とインフレ抑制の両立を迫られ、RBNZのかじ取りは難しくなる。
この状況により、5月下旬の会合での利上げが現実的な選択肢となり、市場イベントとしての不確実性が高まる。結果として、インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される将来の変動見通し)の上昇につながり得る。
ただし、中期的にみると、成長の逆風でニュージーランドドルの先行きは明るくない。2025年第4四半期のGDP成長率は0.2%に鈍化し、今年に入ってからの企業景況感調査も弱い。物価が上がる一方で景気が伸びないスタグフレーションのリスクが意識される。